Flektogon35mm f2.4 片ボケを分解修理する【オーバーホール】

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フレクトゴン片ボケ修理の記事のサムネイルです

最近いっそう勢いをましてきたオールドレンズブーム。
安いし手を出しやすいので、オールドレンズ沼にハマってしまった人も多いと思います。

ですが、古いレンズは状態の悪い品も大量にでまわっているわけでして
わたしも今回、運悪くハズレを引いてしまいました。

わたしが購入したのは、完動美品としてebayに30,000円くらいで出品されている赤MCフレクトゴンです。

そして届いた個体は盛大なる片ボケが…。

オールドレンズの修理業者に片ボケ修理の見積もりを頂いたところ、25,000円…
(他の業者も同じくらいの値段でした)

ちょっと高いなと思ったので自分で片ボケを直してみることにしました。

結果、修理は成功です。

この記事は、赤MCフレクトゴン35m mの片ボケに悩んでるかたの力になれると思います。

そもそも片ボケとは?

片ボケとはレンズの不具合で、撮った写真の片隅がボケてしまう現象のことをいいます。

片隅がボケてしまう原因は、レンズの光軸がずれてしまっているからです。(例外もあります)

これは組み立てが悪かったり、強い衝撃をくわえたりすることで、レンズがズレてしまうために起こります。

すなわち

どこの馬の骨が分解したか分からないオールドレンズは片ボケが起こっていても不思議ではない!

ということです。

自分で片ボケ直せるとしても難易度は?

わたしは以前、数本レンズを分解して遊んでました。
(日本のレンズ5本、ロシアレンズ1本、中国の謎レンズ3本)

正直あんまり熟練度ありません。

そんなわたしが今回の修理に感じた難易度はというと
難易度★★☆☆☆
面倒さ★★★★☆

です。

わりと簡単です。

部品を折ってしまったり、小さい部品を紛失してしまう可能性はありますが、ドライバーを使い慣れてる人なら難しいことはありません。

ただ、非常にめんどいです。

調整しては組み直して、カメラに装着して確認して、外してまた調整して…
当たりが出るまでこの一連の作業をくりかえす必要があります。

分解して片ボケ修理を試みる。

はじめに

そんなに難しくないです
少しでも不安な人はやめておきましょう。

何故ならレンズの分解は失敗が付き物だからです。

失敗事例
・ネジがどっか飛んでく
・ネジがナメる
・レンズに傷がつく
・レンズにホコリが入る
・部品が折れる

他にもたくさんあると思います
意図しない失敗がたくさんあります、そしてフレクトゴンは価値のあるレンズです。
絶対ムチャしないでください。

今回用意した工具

片ボケ修理するには、とりあえずレンズを分解する必要があります。

分解するには工具が要るわけでして、、、以下の工具を用意しましょう。

  1. 精密なマイナスドライバー(比較的大きなビスを外すのに必要)
  2. 超精密なマイナスドライバー(レンズの調整をするのに必要)
  3. 精密なピンセット(必需品ではないがビスを組み付けるときにあると便利)
  4. ブロワー(ホコリを飛ばすときに必要)
  5. レンズクロス(レンズを汚してしまったときに必要)

マイナスドライバーは100均などのショボいのを使うとネジがナメて取り返しがつかなくなる可能性があるのでホームセンターかインターネットで買いましょう、1000円以下のセットで売られてるもので十分です。

2.の超精密ドライバーはホームセンターなどに売ってる時計用が使いやすいです。

ピンセットは100均のものだと精密な作業がしづらいのでパーツの紛失につながるかもしれませんが、今回は片ボケの修理をするだけなので100均ので十分です。

分解してみる

スクリューマウント側の3本のビスを外します。
正ネジなので反時計回りに緩めましょう。

ちなみに赤丸のビス以外は今回の修理では関係ないので外さないようにしてください。
同じマイナスのビスですが、外すべきビスよりサイズが小さいです。

フレクトゴンの外すビスの箇所

ビスを外したら台座を持ち上げるのですが、絞りを動かすパーツがプラスチックなので折らないよう、慎重に作業してください。

フレクトゴン分解の際に注意するべきポイント

部品が引っかかったりして、なかなか抜けなかったりします。
しかしガチャガチャやりすぎないように、優しく優しく引っこ抜くようにしてください。

取れたら下の画像のように、新たにビスが3本露出するので外しましょう。

外すべきビスその2

先程はずしたものよりも小さいので、ビスがナメないように注意してください。

優しく優しく、、、

ちなみにドライバーの取り扱いの基本は、推す力7 、回す力3 です。
このルールを破るとネジがナメます。

この3本を外したら光学系ゆっくり持ち上げて外します。

フレクトゴン修理工程

ここまでこれば、あとは調整するのみです。

調整してみる

調整箇所

イモビスが 3本あります。

赤mcフレクトゴンは、このイモビスによってレンズの傾きを調整してるらしく、
この 3本を締めたり緩めたりして当たりを見つけましょう。

(ちなみに上の画像は前玉の光学系をレンズ群から外してますが、つけたままでも作業出来ます。)

無闇にイモビスを回しても終わらないので調整の2つのコツを書いておきます。

・1本を極端に締めて残りの 2本を極端に絞める(この状態で組み直してどちら側が片ボケしてるか確認する)
・極端に締めた1本をすこし緩めて、残りの2本を締めていく(こうして当たりをつかんでいく)

早い話、(どのビスを緩めて、どのビスを絞めれば、どちら側が片ボケするか把握しておく)という事です。

うまく調整ができればコレで終わりです。

なんとか直りました
画像

それでも直らない場合

片ボケの原因が「レンズが傾いている」場合
もちろん他の箇所の可能性もあります。

その他の原因一例

上記の方法で直らなければ修理業者に依頼する方が安全ですが、一応他の原因も二つほど紹介しておきます。

わたしの知り合いは、赤丸の部分が緩んでいて、片ボケしていたらしいです。

レンズの取り付け面に大きめなゴミが挟まっている状態でレンズが取り付けられている可能性もあります。

組み立てよう

取り外した逆の手順で組み立てていくのですが、一箇所むずい箇所あるので注意しましょう。

絞りレバーと絞りバネを動かすピンです。

フレクトゴン 組み立て方

わかりづらいので画像で説明していきます。

赤丸の部分をうまくはめ込まないと絞りが動きません。

わたしは最初、組み直したときに絞りが動かなくなって絶望しました。

コツを掴めば容易いので、焦らずに作業してください。

フレクトゴン片ボケ修理まとめ

今回をまとめると4点です
・工具は精密なマイナスドライバーが必要
・イモビスを調整してレンズを調整する
・締め付けが緩かったり、他の原因でレンズが傾いてることもあり
・無理は絶対にしない

フレクトゴンの片ボケに関する情報がなかったので書き記しておこうと思いました
オールドレンズは楽しいですが、ハズレを引いたときのショックはハンパないです。

無理ないようにオールドレンズライフを楽しみましょう。

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